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感想文/展覧会プランタン=モレトゥス博物館展 | 05.04.23 (土)

『プランタン=モレトゥス博物館展』感想

印刷革命が始まった:グーテンベルクからプランタンへ

印刷博物館
http://www.printing-museum.org/
『プランタン=モレトゥス博物館展』
http://www.printing-museum.org/jp/exhibition/planning/050423/index.html
会期
2005年4月23日(土)~7月24日(日)
休館日
毎週月曜日(7月18日は開館)
入場料
大人800円、大高生500円、小中学生200円

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42行聖書の本物が見られるというんで、印刷博物館へ行ってきた。 本物と偽物を見分ける眼力は持ち合わせていないし、 こういった物は絵画や彫刻と違って本物と本に載ってるものの差異はほとんどない。 じゃあなぜ、わざわざ見に行くのかと言えば、 本物(と思われるもの)を実際に見たという感動を得たいがためだ。

で、印刷革命ですよ>紳士淑女その他ALL。 文字の発明や紙の発明やインターネットの発明に並ぶ、500年前の情報革命。 当時の印刷物を眺めて、情報革命がもたらした恩恵と災禍を考え、 文明とは何か人間はどうあるべきかといった 個人の手に負えないようなスケールのでかい思索にふけるというのも、 なかなか乙な休日の過ごし方だと思うんですよ、ええ。

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ウホッ いい印刷物……


企画展はプランタン=モレトゥス博物館の所蔵品を中心に、 16世紀のベルギー・アントワープで花開いた印刷文化を紹介するといった内容。 活字!フォント!銅版画!ルネサンス!職人!そんな単語に心がときめく人ならば、 小一時間ウットリできること間違い無しの展覧会でした。 っていうかウットリしてきました。

個人的な目的であった42行聖書(グーテンベルク聖書)もウットリしながら、 食い入るように凝視。ウットリ&クワッ。どんなんだ。

この展覧会の目玉なのかどうかわかりませんが、VRシアターも観ました。 どういうものかというと、すごく大きくてかなりリアルなQTVR。 ほんのわずかにスクロールがガタつくんで、
「うは!このリアルなCG、 リアルタイムでレンダリングされてるんですかー! 単なるムービーじゃないんですねブブーッ(鼻血) つーか、解説してるお姉さんのリモコンを奪取すれば、 360度自由自在に動けますか!?ブブブーッ(耳血)」
という、なかなかの興奮モノ。 自分がバーチャルシアター系の観覧経験が少ないせいもあると思いますが、 かなり楽しめました。 うん、臨場感はすごいあった。 QTVRという、言わば基本的な技術自体は10年前に登場したよね 今さらそんなにビックリしないよね的なものでも、 大画面になるだけでこんなに新鮮に感じるのか、と。驚いた。 たしかに、自分がベルギーの印刷工房にいるような錯覚があった。

内容は、CG化されたプランタンの工房の外や中をグリグリ進みながら、 印刷工房の創業者であるプランタンの生い立ちや時代背景を、 印刷博物館のお姉さんが解説してくれるというもの。所要時間20分。 わざわざ生身の人間に解説させなくても、 録音を流せばいいのに……とは思った。 ようするに、ムービーじゃないよ生レンダリングだよってのを強調したくて、 このような活動写真+弁士方式を採用しているんだろう。 ハイテクなんだかローテクなんだか。

入場料が800円とお高いので、VRシアターはぜひ観ておかないと元が取れないと思いますが、 3D酔いに弱い人は避けた方が無難です。 自分はそんなに弱いほうではないのですが、少しだけキました。 解説のお姉さんも終了後に、
「ご気分の悪くなったお客様はおられませんか?」
と聞いていたので、実際に3D酔いしてしまう人は少なからずいるのでしょう。

この企画展は、印刷機の発明者であるグーテンベルクよりも、 その後の一大印刷工房を率いたプランタンに比重を置いているのが興味深いところなんですかね。

ひととおり、企画展を見終えたので、総合展示(常設展示)の方も観て回った。 印刷の歴史や名作がズラッと並べてあって、中々見ごたえはありました。 もっとも印刷博物館なので、予想通りの展示内容であってサプライズは何も無かったんですが。 あちこちにインタラクティブな仕掛けがあって、 面白いんだけど、それが入場料が高い原因かと思うと素直に楽しめなかったりして。

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と、不平も漏らしつつ元を取るために簡易多色刷り機(プリントゴッコみたいなもの)でカレンダー作った。 強く押しすぎ>自分。字が潰れてるよ。

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最後に、ミュージアムショップでプランタン=モレトゥス博物館(=アントワープコレクション博物館)の消しゴムを購入。 企画展の目録は3000円を越えてて手が出ない値段だったのでスルーしました。

いやマジに、 活字やフォントや銅版画やルネサンスや職人などが好きな人ならば、 観てソンは無い展覧会だと思いますよ。 今日が初日の土曜日だというのにガラすきだったので、 GW中にどこか行きたいけど人ごみは嫌だという方は、検討してみてはいかがでしょうか?

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