ほげほげ
HP 999/999
MP 999/999
LV 99
職業:勇者
魔王の城
最上階
魔王の間
mq_02.png

 ▼ 

魔王は後悔していた。
魔界の最下層のモンスターであるスライムを助けるなどという行為は、 魔王という立場上ゆるされるものではないと思っていた。
たとえそのスライムが幼い頃にいっしょに遊んだ唯一無二の親友であろうとも。
大人となった今では、子供の頃とは違うルールや事情があり、 それはスライムだってわかっているはずだと思っていた。
しかしスライムが死んだ今、頬を伝う涙の熱さがそれを間違いだったと気づかせてくれた。
勇者の振り下ろす剣が迫ってきた。
魔王の瞳は迫り来る剣の切っ先をまっすぐ見つめていた。
その瞳は、この世に未練を無くした者の瞳だった。

魔王は、目の前が真っ白になるのを感じた。
【 完 】

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