結論:(私の場合は)金銭的なメリットはなかった
転居先が旧住所から最短ルートで 5.6km 。自転車なので、より起伏の少ない回り道を選んだので、だいたい 6km ~ 6.5km か。
荷物の総量は、ヤマトのパレットで言ったら3~4パレット分くらい(単身引越しサービスが1パレット(=1ボックス))
これを自転車で運ぶ。だいたい 10kg ~ 15kg ずつ。本など重い箱なら前と後ろに1個づつ。服など軽い箱なら前に2個後ろに2個、背負い袋に1~2個。
そんな感じで運んで、自転車で運べないような思いやつは電車とキャリーカートも使いーの。
一人で運べないものだけ赤帽を頼もうと思ってたら、心の友である杉作先生が
「クルマ出そうか?」
と申し出てくれたので、お言葉に甘えさせてもらった。
(お礼に回らない寿司をおごるつもりだったけど、目星をつけてた店が定休日だった。あわてて賄賂用贈答用にとっておいた高級な焼酎をお礼に贈った(つもりなのだけど、あわてていたので「たしかこれがあれだったはず」と中を確認せず渡したのが今になって気がかり。実は下町のナポレオンだったりしないよな……))。
そんなわけで、引越し業者にはビタ一文払わず引越しを終えたのだけど、コスパが良かったかというと、全然そんなことはなかった、というのが感想。
トータルで、10日かかったのである。つまり、家賃を日割りで10日分も払っているのである。
でもって、一日あたり8時間から10時間、自転車で運ぶという肉体労働を無給かつ無給で雨の日も風の日もやらねばならなかったのである。
そんなんなら、6日間、本業なり副業なりして、2日か3日で荷造りして赤帽を2回の方がコスパは良かっただろう。
ケースバイケースだと思うけど
これはもちろん、荷物(それも本という重い荷物)が大量にある私のケースゆえという面が大きいと思う。
自力運搬がお得になる人も、もちろんいるだろう。
しかし、個人的な体感を元に言わせてもらえば、3km 以内で、かつ荷物が全部で2立方メートル以下でないなら、人力で運ぶことに金銭的なメリットはなさそうだった。
人間は荷物の運搬に向いた動物ではない。産業革命以前から、牛馬に助けられてきた、か弱い動物なのだ。
しかし精神的なメリットがあった
金銭的な理由で試みた人力運搬だった。その目論見は大きく外れたが、意外にも精神的なメリットが大きくあった。
というのも、本当に、心から、つくづく、心底、魂の叫びとして、うちふるえながら、身をしぼるように、こう思ったのだ。
「人間は、持て余す量のモノを持つべきではない」
と。
生まれてこのかた数十年、一度も汚部屋であることを辛いと思わなかった男が、モノを減らすことを心に誓っただけでなく、あろうことか日々の整理整頓までやる気になったのだ。
天下一汚部屋闘会からリタイアを決意したのだ。
もちろん3日坊主になるかもしれない(いま、これを書いているのが3日目だ)。
いきなりS級レベルの整理整頓もできないだろう。客観的に考えて、整理整頓能力がC-の自分がまずなれるのはCかC+だと思うし。
でも、とにもかくにも、決意したのである。
歯磨きをする習慣が無かった子供も、大人になって治療費を自分で払うようになると、歯磨きをするようになるものだ。
「濡れたままだとカゼひくわよ。お風呂に入って着替えてらっしゃい」
と、お風呂を沸かして待っててくれるやさしいママも、
「どおして歯磨きしないのおおおっ!?」
と目を吊り上げて怒る理由は、カゼは安静にしていればたいがい病院に行かずに治るけれども、虫歯は歯医者に行かなきゃ治らないからだ。
私もかつて、歯磨きは2日に1度レベルの人間だったけど、いちどひどい虫歯治療をしてから、一日最低二回(朝・夕)は磨くようになった。
決意。覚悟。人間、それがあれば、変わることはできるはずなのだ。
だからと言って、断捨離に向かうわけではないけれど
いろいろ工夫するのは好きで、すこしでも収納効率をあげるためにあれこれしてきたのの矛先を、ちょいと変えるだけのような気もする。
しかしまー、やっていないうちから、やるやると言うもんじゃないかもね。
トイレ掃除したあと、1週間くらいはきれいに使うのだけど、だんだんどうでもよくなって元に戻る、そんな予感もビシバシする。