ウナ丼代用レシピがトレンドなのでのっかりたい
結論から先に。
焼きはんぺんのせラードごはん、略してペラ丼です。ネーミングセンスの無さは自覚しています。
ミもフタもなく言えば、はんぺんの蒲焼きでウナギの代わり大作戦、足りない脂はラードで補うでよ、です。それ以上でも以下でもありません。
材料費は 約 150 円/1食 でした。
材料
メイン食材が40%OFFで買えました。普通に作ったら材料費は 200 円弱というところでしょうか。
これで淡白な食材を味付けしてごはんにのせればウナ丼代用と言い張れる魔法の調味料。
大葉はいまいちコスパが良くない。
作業工程
はんぺんの片面だけに、箸などで「目」を入れていきます。食べやすくするためと、見た目のためなので、面倒だったら入れなくてもいいです。
「目」を深く入れすぎてはんぺんがちぎれてしまわないよう注意。
ウナギの皮の部分のつもりでやりましたが、あまり意味はなかったので、貼らなくてもいいと思います。もしくは、チーズとかでやればよかったのかも。
焼いてから切るか、切ってから焼くか。切るとき熱いといやだから、切ってから焼きましょうか。
切るとき、切る方向が「目」を入れた方向と同じにならないよう、90 度回転させて切りましょう。
私は家に焼き網がないのでフライパンでソテーしましたが、あれば焼き網でもいいと思います。
焼いてるあいだにごはんをチン。炊いたごはんがあるなら、そっちの方が良いのは言うまでもなく。
「これだけでモリモリごはんが進むぜー!」
て?やめなさい。それは成人病まっしぐらです。
私はコゲが大好きなので意図してここまで焼きましたが、社会通念的には焼きすぎです。
貼った海苔が炭素と化していて、貼った意味がほぼなくなっちゃってましたからね。
火を止めて、はんぺんをひっくり返し、「目」のある側を余熱で焼きます。
これで完成と言えなくもないのですが、これじゃあ、やっぱり、淡白すぎる。
ウナギの!あの!我々を中毒にしてやまない脂!脂!脂!それがない!!!
そこで、台湾名物ラードごはんにヒントを得て、ラードごはん焼きはんぺん乗せ蒲焼き味にしちまえ!というのが、今回のネタなわけであります。
- ラードかけごはん、貧乏飯の域をこえてフツーにうまいぞ! | マイナビニュース
- 【小ネタ】日本の貧乏飯・卵かけご飯と中国の貧乏飯・ラードご飯 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)
こさじ一杯分のラードを熱します。手元が狂って大さじ一杯分になったのは私の不徳のいたすところであります。
チンチンに熱したラードをかけたァー!
このジュワアアーが聞きたくて、煙が出るほど熱したラードをかけるため、陶器のお皿を使いました(家のほかの食器はメラミンばっかりだったりする。落としても割れないので)。
ウナ重といえば漆器が定番ですし、煙が立つほど熱したラードだと器が傷む可能性がありますのでお気をつけください。ラードごはんは熱々のラードである必要はなく、溶けてさえいれば十分です。ごはんが十分に温かければ、溶けてなくてもいいくらいです。
完成と感想
蒲焼きのタレを使ったので味がそれになるのは当然。ラードで脂ッ気を足す作戦も、まあ、うまく行ったと思う。
体に悪そうな料理を食べてる罪悪感を抜けば(いや、むしろそれがあるから?)、なかなかの食べごたえが感じられました。
コゲるくらい焼いたのと、熱したラードをかけたため外側はカリッ、パリッとしてて、中ははんぺんらしくふわふわしてて食感は良い。 ごはんとはんぺんが脂を吸ってて、コクはあるけどくどさを感じるほどじゃない。腹持ちも良い(胃にもたれたという説もある)。 香りとかはないし、歯ごたえも外側のカリカリパリパリだけなので、鰻のような白身の魚の肉質特有のうまさはなかったですね。 つまり、よくも悪くも、はんぺん+α。
……で、これがウナギの代用になるかと言うと。
否。答えは否なのですよ奥様。やるまえからわかっていたことだけど。
夏の土曜にウナギを食べるという行為に惹かれるのは、そのアチーブメントを入手したいからであって、人々は、ただその味だけを求めているわけじゃない。
だから、チクワの蒲焼きでも茄子の蒲焼きでもアナゴの蒲焼きでもウナギの味に近いナマズを使っても、ダメなものはダメなのです。代用じゃ代用であるがゆえに代用に成り得ない。矛盾しているけど。
初鰹とニ番鰹の味に違いなんかほとんどない。でも、見栄っ張りの江戸っ子にとって意味があるのは初鰹だけでした。
ブランドとはそういうものなのです。
だから、なにかが本気でウナギの代用品を目指すのなら、カラフトシシャモという和名が定着したカペリンや、鱒なのに鮭弁の鮭として定着したサーモントラウトのように、
「これは本当はウナギではないけれど広義のウナギである」
という政治的なお墨付きこそ、必要なのだと思う。
まー、それはそれとして、ペラ丼。200 円くらいの材料費で 300 円分くらいの満足感はあるので、みんな作るといいと思います。おしまい。