ヌッと出るものが見たい欲求を満たすため、牛久大仏(茨城県牛久市)を見に行った
シン・ゴジラはヌッと出ない。
それはもう、徹底的に、ヌッと出ない。
たぶん鎌倉さんは、あの距離になってはじめて市民が逃げ出したってことは、ヌッ!ザバーッ!うわああああっってイベントがあったのだろうと思うが、映画ではその部分は描かれない。
そういう風に、シン・ゴジラは徹底的に怪獣映画のお約束を(おそらく意図的に)破っており、それについて賛否の両面からそれぞれ思う所がないわけでもないが、本エントリとは関係ないので割愛するし、おそらくまとめた考えを書くことはないだろう。
ただ、現実として、私の見たかったヌッと出るもの欲求は、シン・ゴジラでは満たされなかった。別の色々な要素で総合点で映画としては満足したが、したのだがしかし、ヌッと出るものが見たい欲求だけは。
この夏の旅行先のメインディッシュに茨城県牛久市牛久大仏を選んだ理由のうち3%はそれだった。
残り 97% は、18 切符を買う程度のゆとりもなかったから、チャリで行けそうな場所ということで選んだ。
牛久は首都圏から行きやすい観光地だから成功したのだと言われる大洗よりも近いのだ。
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見えた。縮小する手間が面倒だったのでスマホはメモと報告用と割り切って VGA で撮ったら、予想以上にひどい写真になった。
サンシャインシティやスカイツリーからも牛久大仏は見えるというので、牛久市に行けばどこからでも見えるのかと思ったが、そんなことはなかった。
そういう意味では「ヌッとあらわれるもの感」を満たしてはくれたが、現れても見かけの大きさは小さいので大興奮とまではいかなかった。
ヌッと現れるものの個人的チャンピオンは、まだ大船観音で安泰のようだ。
ヤシオリ作戦のコンクリートポンプ車を彷彿とさせたので、思わず笑ってしまった。笑ってしまって、スマホじゃなく”綺麗に撮るため用”のコンデジで撮るのを忘れてしまった。
コンデジではただ建築現場を撮ったのみ。大仏をハブってなにがしたいのか自分。
ここになにを作っているのかしらないが、牛久大仏は東本願寺派らしいので、西本願寺派がここに、メカ牛久大仏を作ってたら面白いんだが…と思った。首が動いて胸から排気するやつ。それなんてお台場ガンダム?
わしゃ、『トリオ・ザ・パンチ』が好きでのう。
足が大きく写り過ぎたこと、向きが想定と逆だったことには気づいたが撮り直さなかった。通りすがっていくドライバーの好奇の視線に耐えられなかったのだ(ただの自意識過剰)。
「とらまえた!」という写真が撮れたと思ったら、なぜか牛久大仏が小さいように見える不思議写真になった。
そんなこんなで牛久大仏に到着し、目的のひとつであった、雑タイムラプス動画の素材を撮影したのであった。暑かった。日陰に入ったり出たりしながら撮ったせいで、シャッタースピードやら絞りやら機械まかせにした部分がバラバラになったw
回してみた
(クリックで再生。動画を再生するにはvideoタグをサポートしたブラウザが必要です)
ニコ動
私は、行くまでは牛久大仏をイロモノ、ネタモノと思っていたのだけど、動画のために一周してみたら、ちょっと印象が変わった。
けっこう広大な墓地が広がってて、住宅街からも離れた丘陵地で閑静な土地。見晴らしはよく、広い空にときどき浄苑の鐘の音、鳥の声、風の音がわたっていくだけ。
いちおう、牛久大仏の観光地としてのアナウンスなどもあるが、いわゆるエンタテイメント観光地のそれのように騒がしいものではない。お盆のときは、そりゃお祭りだろうが、ふだんは静かな霊園なのだ。
牛久大仏は、都心からアクセスもいいこの場所の墓地を売るための広告塔にはちがいないが、 それゆえにイロモノ的な演出は、こちらが思い込んでたほどにはなかった。
私が敬虔な浄土真宗のジジババだったら、ここの大仏様のお足元で、大仏様に見守られながら安心して眠りたいと思っても不思議はないな、と思った。
意外に、上品な施設だったのである。
そんなことを考えながら一周した私は、さて、中に入るべきかどうか、ちょっと悩んだ。
エッフェル塔を見たくないならエッフェル塔に行くことだ。大仏様の胎内からの景色に大仏様は無いのだ。
ただ、高い位置からの景色に入場料というのもどうなのか。ここで時間を節約すれば、別の文化財・史跡が見て回れる……などと思った。
結局、入場したんですけどね。ここまで十分に楽しんでたので、入場してガッカリってこともあるまいと思った。
この辺の混乱する感覚は、DPZ の小野法師丸さんが書いておられた。
>@nifty:デイリーポータルZ:超巨大仏を見て混乱する
http://portal.nifty.com/2007/03/23/a/
思うに、このサイズになってしまうと心の中のサンシャインや都庁と比べてしまうし、それら 200m 級のビルと比べると、牛久大仏はやや小さい 120m なのだ。
それもシン・ゴジラっぽいと思ったが、いつもやってるのか知らなかったし、さすがに夜までここで時間をつぶす気にはならず、あきらめた。
「でかさ」はお金さえあればなんとかなるもので、お金ではどうにもならない「古さ」にくらべたら、やっぱり感動は低いのだけど、現代の建設技術なかりせばあああアアアアッ!という別の感動がなくもない。
展望室へはエレベータで行くと聞いていたので、
「お、この部屋がエレベーターなんやな!スケールがでかい!」
と思ったら、暗くなって、ポムじいさんの飛行石語りみたいな演出がなされるだけの部屋だった。
一階。大仏様の体型に合わせて内部は環状ホールみたいになってるので、非常にレトロフューチャーっぽい。
スタートレック TNG とか TRON とか、ああいうのが好きなオッサンにはたまらない。
2階。SFっぽさは消えるが大仏建造の様子の展示が科学少年の心を喜ばせる。
写真の著作者は荒海美子・牛久きちい・大谷淑子のいずれか。これ書かなきゃ引用の案件を満たせねえ。
最上階からの眺め。胸のあたり。視界がせまいのは演出なのか構造上の問題か、大仏の外観を損なわないようにするためか。
どうせなら、顔のところから見たいと思ったけど、安全性の問題で許可が降りなかったとか、ありそうだな。
北側の窓にはガッツリ金網がつけられて景色を邪魔していた。風とか、すごそうだな。
上からの眺めに、とくに思うことはなかったので、とっとと下山…いや、下山じゃないな、下仏?
3階。地下都市ゼン・ゼン・シティー。これら個室《コンパートメント》のひとつひとつにA級市民が格納されている。
昭和のS・Fにひたりたいかね?ならば牛久大仏に来たまえ!
2階(帰路)。なんだかよくわからない。たぶんネタ枯れ(←失礼なこと言うな)
売店。欲しいと思ったけど、荷物になるのであとで Amazon で買おうと思った。
……が、現在(2016-09) Amazon では品切れなうえ定価も倍以上だった。700 円なら欲しいけど、1500 じゃなー。
というあたりで外へ。腹も減ったし、次の目的地に行かねば時間が惜しい。